ピアノの導入教材は、国内の指導者の作ったテキストのみならず、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアなど世界中のテキストが手に入ります。
声楽やヴァイオリンなど、ピアノ以外では比較的需要のありそうな楽器(歌)でさえ、指導者の方からは『初心者向けのテキストが少なくて曲選びに困る』と嘆く声をよく聞くのに。
それだけピアノは裾野が広いという事ですね。
私がピアノの指導を始めて約30年、ピアノを習い始めた頃からすればもうすぐ半世紀⁉︎
たくさんの教材に触れてきました。
新しく取り入れるようになったもの 、あまり使わなくなったもの
どんどん増えて家の中は教材でいっぱいです。実家にもさらにたくさんの楽譜が!
そんな入れ替わりに耐えたロングセラーが
赤い表紙も鮮やかな
リトル コスモス
発表会の曲選びでもリトルコスモスの作品はプログラムに登場する頻度の高い、お気に入りの曲集です。
最近は、ふだんのレッスンのメインテキストと併せてリトルコスモスを使うことも増えました。
有名な曲はそれほど多くありません。
でも美しく、何か心に残るような作品がたくさんあるのです。
この曲集を編集した成田稔子先生は、ずいぶん前からロシアの音楽教育を研究されていたようです。
初版が1983年との事、まだソ連だった頃のお話ですね。
今でこそロシアンメソッドとして多くの方に認知されているロシアの音楽教育ですが、当時はまだ今ほど情報も手に入らなかったことでしょう。
また、日本のピアノ教育もバイエルがスタンダードだった時代、その先見性に驚かされます。
副題には『バイエルを学びながら音楽性が育つやさしいピアノ曲集』とあります。
ロシアのピアノ教育者が子供のために作った作品のほかに、様々な時代の様式の作品もバランスよく配置されており、一冊で長い期間勉強することができます。
お子さんにとっては、1冊の楽譜が早く終わって新しい楽譜をもらう、それも楽しみのひとつでしょう。
私も子供の頃は、新しい楽譜をもらうとそれだけで自分が上手になったような気分に浸れたものです。
一方で、一冊があっという間に終わってしまう、お手軽だけどいささか中身の薄い(言い方…)テキストばかり使うのもどうかな〜と、いつも葛藤があるのです。
はじめてピアノに触れる時から、美しいハーモニーを感じてほしいと言う願いを込めて
このテキストを使っています。
使いこんで年季の入った私の楽譜